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羅紗切鋏の「羅紗」はポルトガル語のRAXAを音訳したものです。羅も紗も薄い絹織物のことですが、二字を合わせた造語の羅紗と言う布は、絹とは関係のない「毛織物の一種で地を厚く、織り目を細かく表面だけをけばだてた物」のことを言いいます。
幕末に羅紗切鋏は舶来で重く日本人の洋服職人には使いやすい道具ではなかった。日本人に使い易い羅紗切鋏に改良したのは吉田弥十郎(銘・弥吉)である。弥十郎は安政六年(1859年)生まれで、家業は千住の野鍛治だった。十二歳の時に、刀鍛治の弟子となったが、明治維新後廃刀令が出て刀の製造ができなくなり、のちに日本独特の羅紗切鋏を創製した。
そして、弟子・孫弟子・曾孫弟子たちによって正統派の羅紗切鋏として受け継がれてきた。 |
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